当オフィスで施術を受けに来ていただける方がよく質問をいただく事の一つに「普通の腰痛などでもいいんですか?」と聞かれることがあります。慢性的に張りを抱えている程度なんで苦労はしてないという事らしいのですが、こういう方にこそ対処していただきたいと切に思っています。

確かに、腰痛と言っても実は様々な腰痛が存在します。ヘルニア、椎間板すべり症、ぎっくり腰、etc…腰痛を発生する要因となるものは様々です。ですが、多くの腰痛持ちの方が口を揃えて言うのは「いや、特に怪我した事もなく常に痛いわけではないんですけども・・・。疲れが溜まると。」と言われます。しかし、

 

「痛みがない=問題ない」ではないのです。

 

痛みはあくまでの身体が発するシグナルの一つです。痛みを感じる以前に身体には様々な変化が発生しています。姿勢が悪くなるなどもそういったシグナルの一つなのです。

よく言われている事ですが、現代人は座っていることが非常に多い生活になっています。長時間の着座は腰への影響が大きく、1時間に1回は椅子から立つといった事を推奨していますが、実際に行われているとは考えにくいのが現実です。正しい着座姿勢で座っているだけでも違いがあるのですが、正しく座れている方をほとんどお見かけしません。椅子をうまく使って座る事が出来ておらず、背中が丸まってしまったり、無意識に背中を反らせて腰を支点にすることで体を支えており、腰への負担を無意識のうちに積み重ねています。

そうした長時間の着座は股関節の筋肉、特に大腰筋というとても大きな筋肉を収縮させ続けることになります。写真を見ると分かりやすいのですが、大腰筋は腰椎から体の前を通って股関節に付着します。この筋肉が収縮し続けると腰を前に引っ張ってしまい、腰の筋肉を収縮させ腰を反らせやすくしてしまう事が多いです。

大腰筋解剖学

それと同時に、着座が続くとお尻の筋肉である大臀筋が伸ばされたままになり、いざ使おうと思った時に股関節の収縮が大臀筋の邪魔をしてしまい、お尻を上手く使えないという状況を作り出してしまっています。椅子から立ち上がる際、大臀筋が上手く使えずに身体を前かがみにして「よっこいっしょ」という感じで上半身を引き起こすように立ち上がる感じです。この時に腰の筋肉が中心となって使われてしまうことにより、立ち上がる度に腰の筋肉を酷使してしまっているのです。

大臀筋解剖学

単純に腰痛と言っても、慢性的に張りを感じるといったよくあるパターンですらこうしたメカニズムが存在しています。もちろん、腰痛を発生するメカニズムはこれだけではありません。単純に「痛くない、困ってない」からと言って放置しておくと、必ず何かしらの反動がやってきます。その時を迎えたときにはもう遅いのです。今の自分の身体・動きのメカニズムを知り、腰痛と向き合う事から初めてみてはいかがでしょうか?